怪獣パーリーピーポー『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』
監督
マイケル・ドハティ
製作
メアリー・ペアレント
アレックス・ガルシア
トーマス・タル など
キャスト
ベラ・ファーミガ
ミリー・ボビー・ブラウン
渡辺謙 など
あらすじ
前作から5年後の世界を舞台に、モスラ、ラドン、キングギドラなど続々と復活する神話時代の怪獣たちとゴジラが、世界の覇権をかけて戦いを繰り広げる。また、それによって引き起こされる世界の破滅を阻止しようと、未確認生物特務機関「モナーク」に属する人々が奮闘する姿を描く。(映画.com様より引用)
感想
私だ。今回はエメゴジ(ローランド・エメリッヒ監督のゴジラ)、ギャレゴジ(ギャレス・エドワーズ監督のゴジラ)に続くハリウッドゴジラ3作目のドハゴジ(マイケル・ドハティ監督のゴジラ)こと『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』である。ゴジラでキングにしてモンスターズという素敵なワードが3つも入ったなんともお子様ランチみたいな豪華なタイトルだ。
今作の魅力はなんといっても怪獣が何体も登場することにある。ゴジラ、ラドン、モスラ、キングギドラをメイン怪獣に置き、その他にもなんだか凄い怪獣など多種多様に何体も出てくる。ゴリラとマンモスを足したような怪獣、意味不明だけど好きだった。
そして怪獣の量だけではなく質も惜しみなく爆発的に起こる。
予告を見てみても、ほとんど怪獣との激しいバトルしか映さない潔い仕様に脳がアドレナリンで沸騰したことと思う。これがマジでバトルの嵐。
怪獣同士はもちろん特殊部隊と怪獣のバトルまで目白押しで、人も街もゴミみたいな扱いのド派手な怪獣プロレスがとことん拝める。
しかもメイン怪獣たちのイケメンな見せ場などもしっかり盛り込まれており、ゴジラは勿論、ラドンの誕生から速攻でトリッキーな飛行で戦闘機を撃墜する様や、モスラの「あ、なんか良いことあるかも…」と思ってしまう後光みたいな神々しい登場からの糸を吐き出すハイスピードバトル、キングギドラのイカつい姿で圧倒的なパワーを見せ、生態系を狂わす異質感だったりと全ての怪獣に惚れてしまう場面を設けてくれている。
そんな怪獣たちのド派手な喧嘩が画面いっぱい、寧ろ収まってないくらいにまで繰り広げられる。心の中で「それだよそれ!それが見たかったんだよ!」と自然に叫んだ、
特にクライマックスのゴジラとラドンとモスラとキングギドラのメイン怪獣たちが揃ってのバトルシーンは圧巻。街は公園の砂山を蹴飛ばすくらいの軽いノリでことごとく木っ端微塵に吹き飛び、人間はゴミのような扱いでオープンワールドな破壊的プロレスが激しく繰り広げられる。ここが本当に凄く、手に汗握る大盤振る舞いに圧倒されることこの上ない。最早バカ(褒めてる)。もうそれは怪獣たちによるやりたい放題パーリーピーポーな状態(褒めてる)。
ここまで最高な怪獣を見せてくれる中、さて人間サイドのドラマはどうかだが、これが中々に微妙。というか、ん〜なんだか凄い。
我が日の丸を背負ったジャパニーズ・ハリウッドスターの芹沢博士(渡辺謙)のぶっ飛んだ話を持ち出す会議から始まり、登場人物やモナークという組織に所属する人物たちの中で非常に駆け足で事が進み、会話が軒並みぶっ飛んだ話へと持っていく。
怪獣の歴史や神話を掘り下げてから成る謎理論でマトモな大人がマトモじゃないことを淡々と喋るのでスルーしそうになるが、その会話の内容と出される発想は凄い。思わずマジで言ってんのか!?となる。一応申し訳ない程度にグッとくるドラマが用意されているが、やっぱりぶっ飛んでる。(例を挙げるとゴジラに闘魂注入など。何言ってるか分からないと思うがマジである。)
しかし、どんなに人間サイドがアレだとしても本編では常に人間はゴミ、怪獣が正義という概念と扱いなのでそういう立場では怪獣の活躍を見たい私からすると「ありがとう」という気持ちになる。
また、今回のハリウッドゴジラは音楽が凄く良かった。
アレンジを加えまくったソイヤ!ソイヤ!なゴジラのテーマソングやキングギドラが登場する際に流れる不穏な般若心経ソングなど、大いに盛り上げて怪獣をまた一つ大きく魅せてくれる。エンドロールでは曲の盛り合わせでファンにとっては歓喜に違いないだろう。更にエンドロール後のお楽しみの一つであるCパートはイマジネーションが膨らむ一興として最高の終わり方だったということも伝えておきたい。
ということで『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』全てが完璧という訳では無いが、求めていたものは確実に見れる。だってみんな怪獣同士が凄いバトルをするのを見たいでしょ。ここにある。
この調子で『ゴジラvsキングコング』を心待ちにしようと思う。『キングコング 髑髏島の巨神』から時間が経ってるので、多分キングコングもまた何周りも成長してデカくなっている筈なので楽しみである。
取り敢えず、キングコングが山や岩などの地形を利用してパルクールなどの俊敏な動きを見せてから、ゴジラに向かって助走ドロップキック。なんてものも見てみたい気持ちがある。