共に食ってく?

主に映画を食べます

ゾンビ×ミュージカル×おっぱい=ハッピー 『アナと世界の終わり』

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監督

ジョン・マクフェール

製作

ネイサン・アレイ=カルー

ニコラス・クラム

トレイシー・ジャービス

キャスト

エラ・ハント

マルコム・カミングス

サラ・スワイヤー など

 

あらすじ

イギリスの田舎町リトル・ヘブン。幼い頃に母を亡くした高校生のアナは、現在は父トニーと2人で暮らしている。夢も希望もないこの町にうんざりしている彼女は、父に内緒でオーストラリア旅行を夢見てバイトに励む日々を送り、幼なじみのジョンは、そんな彼女の夢を応援しながら密かに思いを寄せている。しかしクリスマスイブに旅行の計画がバレてしまい、アナと父は大ゲンカに。翌日、いつも通り学校へ向かっていたアナとジョンの前に突如として血まみれの男が現れ、ジョンに襲いかかる。アナは咄嗟にシーソーを使って男を撃退するが、なんと男の正体はゾンビだった。クラスメイトたちと合流したアナとジョンは、学校に取り残された学生たちを救出しに向かうが……。(映画.com様より引用)

 

 

 

感想

私だ。今回は世界三大映画ジャンルの一つでもあるゾンビ映画に歌と踊りを加えてなんとも景気の良い黙示録になっている青春ゾンビミュージカル『アナと世界の終わり』だ。

なんだか聞き覚えのあるタイトルだが決して、ありのままの姿を見せるやつではない。血肉は出るけど。

 

今作のゾンビ映画、なんと言っても特筆すべきはミュージカルというゾンビ映画とは無縁にも等しいジャンルを取り入れ、勝負に出ているところだ。ゾンビ×ミュージカル、果たしてどうなのかと言うと正直めちゃくちゃ良かった。そう凄く良かった。

 

主人公であるアナと父親の思春期ならではのギクシャクした関係を映した場面から始まり、学校パートでは映画のヒロインたちをフォーカスしたハイスクールミュージカル張りの激しい歌とダンスが披露され、思わず「これ本当にゾンビ映画を見ているのか?」と不思議な気持ちにさせられる。

主人公のアナから始まり、クソダサセーターを着た恋真っ盛り中の青年、GIDで学校に今ひとつ馴染めない男の子、学校のクラス内カーストで上位の陽キャ集団のリーダー、アナとは親友以上恋人未満の存在、皆が思う「こんな校長は絶対嫌だ」を詰め合わせた理想的傲慢な校長など出てくるキャラクターも非常に立っており一人一人に魅力や見せ場があるのも感情移入がしやすく良かった。

 

特に校長は私欲のためならどんな醜い行動でもやってのけるゾンビよりゾンビみたいな厄介な存在というのも面白く、校長が歌う曲はエゴに満ちた黒い曲で自分のキャラをしっかり分かっていて素晴らしかった。

 

突如訪れた黙示録で血肉が町に飛び散ろうとも構わず、歌と踊りで景気良く見せながら曇り空でもどこか華やいで見え、危機感は皆無だが生ける屍を超えていくとティーンエイジャーの有志と、アオハルかよな青春は最高の域にある。

そしてミュージカルでありながらもしっかりゾンビ映画の様式美も揃っているのは好感が持てる。たとえば、ある建物に籠城し、その中で対策を考えたり、特殊部隊が助けに来てくれるという謎の信頼感と希望からねじ伏せる絶望や、夢を語ったやつから死んでいったり、大切な人を助けにいく設定なども然りだ。

ゾンビ映画での人を喰らい肉を貪る最低限なゴア描写も満足で見応えもかなりあり、その中で披露される歌やダンスが邪魔などはせず見事に映画を一枚面白いものにしているのは純粋に凄いと思う。

 

また今作はショーン・オブ・ザ・デッドのようなその場にあるヘンテコなものでリズミカルにゾンビを殺していったり、ちょっと間抜けで完全に笑わせに来てるゾンビなど楽しい一面が多々あるのだ。ボーリング場でのゾンビ集団バトルは本当に笑った。

かといってポップでコミカルな全編晴れ晴れしたゾンビ映画になっていると思えばそうではなく、所々ホロッと泣かされる場面もあり、上記にも記した通りヒロイン一人一人に感情移入がしやすくなっているので……っとこれ以上言うとアレなのでここまでにしておくが、とにかく自分は涙腺が弱いので普通に泣いた。劇場の隣で見ていたお姉さんも大号泣である。

 

 

更に個人的この映画のもう一つの魅力、それはそうおっぱいである。

主人公のアナの鎖骨から腰にかけて妙にパツパツで、引き締まり発達したくびれまでのボディラインが強調されたシャツと、それにより一段とせり出た胸元のシグナル突起物の乳房、皆が言うところの通称おっぱいのシルエットは世の男性を押し倒し、耳元に息を吹きかけるようなゾクゾクしたものを感じる。シャツ、グッジョブ!

もうここまで語ってたら変態のレッテルをバンバン貼っても良いと思う。剥がすけど

 

正直これに気付いたときは歌とストーリーとゾンビ殺しとおっぱいにしか目が行かなくなってしまい目も耳も大忙しだ。正直こんなものまで見れるとは思っていなかった。

この体のラインが強調された主人公は実にエロい。それが終盤まで続くというハッピーサプライズorラッキースケベ

 

ということで『アナと世界の終わり』、ゾンビとミュージカルとおっぱいで成り立った素晴らしい映画で満足。

劇中で歌う曲もどれも良い曲ばかりで思わず聞き惚れてしまうほど。特に序盤の学校の皆で歌う「映画のようなエンディングはない」という歌陽キャ集団のリーダーが歌う「ゾンビ殺しなら俺が最強、へっへっへ」みたいな歌はお気に入りだ。

ゾンビ映画とミュージカルという異色のマッチングで生み出された本作は超絶楽しい作品になっていてかなりオススメである。

もし終末が来たらこんな感じのノリで危機を回避したい!

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