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それは最悪で最高『ミスト』

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監督・脚本

フランク・ダラボン

キャスト

トーマス・ジェーン

マーシャ・ゲイ・ハーデン

ローリー・ホールデン

原作

スティーブン・キング

 

あらすじ

ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」でスティーブン・キングの世界を見事に映画化したフランク・ダラボン監督が、映像化不可能と言われていたキングの傑作中篇「霧」に挑んだ意欲作。激しい嵐が過ぎ去った町に不気味な深い霧が立ち込め、住民たちは身動きが取れなくなってしまう。やがて霧の中に潜んだ正体不明の生物が彼らを襲いはじめ……。原作とは異なる衝撃のラストが全米公開時に大きな話題を呼んだ(映画.com様参照)

 

 

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感想

ハァ-イ、私だ。平成から令和へと改元されるにあたって紹介できる映画は何かなと考えた時にパッと思い浮かんだのが『ミスト』なので今回はミストを紹介して平成とおさらばしようと思う。そう、平成といえば『ミスト』だね。

 

もう「霧の映画って知ってる?」と聞けば「愚問だな、ブッ飛ばすぞ」と半ギレされるくらいには大体の人には認知されている本作だが、やはりそれ程の認知を勝ち取った魅力はズバリ登場するクリーチャーと原作を改変した衝撃の結末だろう。

なので今回はみんな大好き『ミスト』の魅力を簡潔に語っていく。

 

 

猛烈な嵐に見舞われ外が悲惨なことになっていたある一家、そこで物資を手に入れるため父と息子はスーパーマーケットへと向かうも、突如として現れた周りが見えない濃い霧に辺り一面を瞬く間に覆われ、更にその霧の中には人を襲う“何か”存在している事を知り、見事にスーパーマーケットに閉じ込められどうにかこの覆われた霧と外にいる“何か”を回避して脱出を図ろうとする…。というのが本作の大まかな内容だ。

 

冒頭でも説明した通り本作の魅力は霧の中にいるロマンの塊みたいなクリーチャーの数々だ。スーパーマーケットの裏のシャッターを開け、脱出を図ろうとするとシャッターの隙間から巨大な触手がウネウネと入り込んでくるのがクリーチャーの初お披露目シーンなのだが、その触手が開始のゴングを鳴らすが如く人間の皮膚をバリバリと剥がしたのはどんな触手プレイよりも心を鷲掴みにされテンションが上がり、狂喜乱舞し、チンパンジーみたいに木に登って大きく左右に振ったのは今でも覚えている。多分その手のクリーチャー好きの方々もそれだよ!それ!と同じ状態になったと思う。

 

スーパーマーケットに閉じ込められた人々の不安と恐怖が立ち込める中、霧の中に潜むクリーチャーの見てくれなお披露目会は続き、ガラスに張り付き、スーパーマーケットに籠城する人々に恐怖を煽ってくる巨大な昆虫クリーチャーだったり、その巨大な昆虫クリーチャーを食す鳥型の肉食クリーチャーを追加で披露する事で昆虫クリーチャーよりも上に恐ろしい存在が居ることの怖さと弱肉強食の世界が存在している事を突き付け、人間側を更に絶望へと追い詰めていく。

 

一方、主人公である父はそんな中でも息子を守るために主人公らしくクリーチャーへ怯むことなく果敢に攻撃したり、この場を切り抜けるために模索し、少しでも兆しがあるなら自ら前向きにリーダーとも取れる回りをまとめる行動をしていくのだが、やはり簡単には行かず恐ろしいクリーチャーによって次々とようやく見えた希望をまた絶望の淵へと落とされていく。

 

そういった場面でも私的お気に入りが薬を求め、主人公を中心に数人でスーパーの隣にある薬局へと向かい、薬を探るがそこは凄い凶悪な面構えの蜘蛛クリーチャーによって巣窟化としており、薬どころか死人を出して止む終えずスーパーへと戻る箇所。兎に角ここに登場する蜘蛛クリーチャーが凄い。ケツから強力な酸性の蜘蛛の糸をビームガンみたいに発射して溶かしてくる。更に人間の身体に直接卵を産み付ける最悪すぎる生態を持っており、身体から大量の蜘蛛クリーチャーの赤ちゃんが産まれてくるシーンは目も当てられない地獄のような絵面で、つまりそれは私視点から言うと最高である。やったね、本当に凄いもの見たよ。

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そんな数々のクリーチャーが存在する中で、最も凶悪なモンスターがいる。みんな大好き宗教ババアである。

宗教ババアはスーパーマーケットにいる人たちの何人かを手玉に取り巧みな話術で見事にマーケット内カルト集団を作り出し、霧の中に潜むクリーチャーに生贄を捧げようとする非常に厄介なモンスターだ。

だが問題無い。状況を悪化させて人をイライラさせる才能を持つこの宗教ババアには思わずガッツポーズを繰り出してしまう最後が待っているので、そこは是非その目で確かめて欲しい。

この宗教ババアの存在によって『ミスト』を見た人からは「やっぱり人間が一番怖いよね、へへへ」という意見をよく目にするが、んな訳ない。クリーチャーの方が怖いに決まってる。

 

そして本作が世間的にかなり認知されるようになった要因の一つ、というか最早それが一番の原因といっても過言ではないのが原作とは異なる改変された結末にある。

これ以上スーパーマーケットに籠城は出来ない。助けは待てないと判断した父と息子、その他愉快な仲間たちはスーパーマーケットを出て、車で脱出を図るのだが進んでも進んでも霧は晴れず、それどころかモンハンに登場するシェンガオレン並みに馬鹿デカいクリーチャーにまで出くわしてしまう始末。希望も兆しも見えない中で主人公が出した答え、そしてその先に待ち受ける運命。それによってこの映画を見た視聴者に衝撃を与え、後世にまで語られ続け世間に広まり今や「霧の映画」といえばこの作品がパッと思い浮かぶまで来た。

結末はまだ未見の方のため、と言うよりかは私が初めて見たとき「あーーーーーーーー」となったので同じ目に遭ってほしいという願いを込めて敢えてここでは記さないでおこうと思う。

原作では少し希望を持つ結末だが、果たして映画では………

 

 

ということで『ミスト』割と序盤から一方通行で地獄が続き、よくある「主人公の力で何もかも上手くいく映画」というより「主人公の力で何もかも上手くいこうにもいかない映画」ではあると思う。その他にも人間側にも敵と呼べる存在がいて、死人の数も多いがその手のクリーチャーが好きな方にはグサグサ刺さるクトゥルフ神話的デザインのクリーチャーの数々、SUN値直葬なナイスな絵面など総合的に見ても本作から得るものはプラス点が多いのではないだろうか。

 

因みに『ミスト』は実はドラマ化されているのだが、本作のようなクリーチャー見たさで鑑賞すると思ってたのと違い過ぎて脳内で鈴木雅之の「違う、そうじゃない」が流れる状態に陥る。案の定ドラマはコケてシーズン1で打ち切りになってしまったが予備知識として片隅に置いておくのも良いと思う。

最悪で最高、それがミストである!

 

実は本作に登場するクリーチャーには名前があるのでここでイカれたクリーチャーメンバーを紹介するぜ!

◆テンタクルズ・フロム・プラネット

巨大な触手で人間の皮膚をバリバリ剥がして食す触手プレイが得意

スコーピオン・フライズ

昆虫のような姿をした巨大なクリーチャー。まん丸な目がキュートだが刺されると危険

◆プテロ・バザード

鳥のような見た目のクリーチャー。スコーピオン・フライズを主に食すが、食えると分かれば人間でさえ皮膚を引きちぎってムシャムシャ食べるぞ

◆アラクニ・ロブスター

蟹のようなハサミを持つすごく巨大なクリーチャー。そのハサミで人間を捕まえ攫っていくぞ

◆グレイ・ウィドワーズ

鬼みたい面構えの蜘蛛によく似たクリーチャー。ケツから酸性の蜘蛛の糸を吐き人間を溶かし、更に人間の体内に卵を産み付ける最悪の生態を持つぞ

ベヒーモス

モンハンのシェンガオレンのような巨大なクリーチャー。最早神々しいまである

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