共に食ってく?

主に映画を食べます

狂う大人、狂うニコラス・ケイジ『Mom and Dad』

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監督
ブライアン・テイラー

製作
クリス・ルモール
ティム・ザジャロフ
ブライアン・テイラー
製作総指揮
ジェリー・ハウスファター
キャスト
ニコラス・ケイジ
セルマ・ブレア
アン・ウィンターズ
ザカリー・アーサー
ランス・ヘンリクセン

 

あらすじ

ある日親たちが凶暴化し、わが子に襲いかかる世界を描いたニコラス・ケイジ主演のスリラー。2人の子どもにも恵まれ、幸せな毎日を送っているブレント。いつものように会社に行き、オフィスのテレビでブレントが見たのが、親が実の子どもを殺害する事件が相次ぎ、国中がパニック状態となっているという驚がくのニュースだった。子どもたちの身を案じたブレントは仕事を早めに切り上げて帰宅するが、子どもたちはいつもどおりに無事に暮らしていた。しかし、愛する子どもたちの顔を見た瞬間、ブレントの心に「この子たちを殺さなければ」という正体不明の殺意が生じてしまう。

 

感想

面白い顔をさせれば右に出る者はいないニコラス・ケイジ含む大人たちが常人のタガが外れたようにブチ切れる今作。

そしてそんなニコラス・ケイジを夫に迎え、同様にブチ切れる妻はセルマ・ブレア が演じる。

 

世界中の大人たちが突如として自分の子供だけを襲うようになり、幸せだった日常や優しかった母親や父親たちは悪魔に変わり地獄のような日常に変わる…というのが今作での醍醐味な内容だ。

 

夫のニコラス・ケイジや妻のセルマ・ブレアは最初は子供たちに優しく文字通りイイお父さんとお母さんといった感じの様子から描かれる。

が、急に我が子を見るなり「この子達を殺さなければ」という正体不明の殺意がわき、一気に狂いだすのだ。なんとも恐ろしい。

ただでさえ狂気的な顔をたまに見せるニコラス・ケイジがマジで狂気純度100%で襲い、更にセルマ・ブレアも参戦してくるのだ。なんとも恐ろしい。

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今作、面白いところが狂った大人たちが襲うのは必ず自分の子供だけというところ。

目の前に他人の子供が横切ってもガン無視。殺意は自分の子供だけに矢印が向けられるのだ。

 

 

そして話の大半はニコラス夫婦vs子供たちの一軒家バトルに重点が置かれる。

一軒家で繰り広げる生きるか死ぬかのスーパー親子喧嘩。しかし、ここは流石ニコラス夫婦の娘と息子、ただではやられないし捕まらない。精一杯の反抗でニコラス夫婦からの攻撃を避けホームアローン的な仕掛けで太刀打ちしていく。そういったところの親子のハイパーバトルは見ていて凄く楽しかったと個人的には正直思った。

 

親は全力で子供たちを殺そうとしてくる。しかし子供たちは狂気に満ちていても親は親なので殺すことは出来ない。そんな複雑な心境の中での親子喧嘩はまさしくマッドな光景だ。が、割とニコラス夫婦の子供たちは爆発でニコラス夫婦を吹っ飛ばしたりする。マッドだ。

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そして親子喧嘩が徐々にハードになっていく中、更なる刺客が登場する。ニコラス夫婦のお父さんとお母さんだ。そう、お爺ちゃんとお婆ちゃんが家に訪れてくるのだ。

これはつまりどういう事かというと、「親が突如として自分の子供たちを殺そうとしてくる」、お爺ちゃんとお婆ちゃんはニコラス夫婦の母親と父親。そう、ニコラス夫婦を殺しに来たのだ。もうその時点でマッドもマッド大マッドな光景が繰り広げられる。

 

お爺ちゃんとお婆ちゃんはニコラス夫婦を殺そうとして、ニコラス夫婦は自分の子供たちを殺そうとするのだ。もうヤバすぎる。

 

だが、そんな展開はめちゃくちゃ楽しかった。親子の生き残りをかけた親子ロワイアルの狂喜乱舞は最早この作品でしか見れないであろう。

 


ということで『Mom and Dad』、かなりテンションアッパーでマッドな仕上がりになっていて楽しい作品ではあると思う。

監督が『ゴーストライダー2』や『アドレナリン』のブライアン・テイラーなのでかなりハイボルテージなスリラーであることは間違いない。

実は今作、『マッド・ダディ』というタイトルで6月に日本公開が決まっているので劇場に足を運んでみてはいかがだろうか。狂ったニコラス・ケイジの顔芸オンパレードが見れるぞ!!!

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スペックの高い幽霊見えちゃう系男子『オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主』

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監督
ティーブン・ソマーズ

製作
ティーブン・ソマーズ
ジョン・バルデッチ
ハワード・カプラン

キャスト
アントン・イェルチン

アディソン・ティムリン

ウィレム・デフォー

ググ・バサ=ロー

 

あらすじ

オッド・トーマスはダイナーで気ままに働く二十歳のコック。しかし”オッド(奇妙)”という名前のごとく、彼には特異な能力があった。平穏に生きていたいと願うオッドだが、死者が見えるとつい関わってしまう。そんなある日、町で”ボダッハ”という不気味な悪霊を大量に目撃する...。ボダッハは暴力的で凄惨な死を嗅ぎつけて集まってくる。「この町はかなりヤバい!!!」。町の危機を放っておくわけにはいかないオッド。はたして彼に町の平和は守れるのか?そしてオッドの運命は—?(DVDパッケージ裏参照)

 

 

感想

今回紹介する映画はかなり好きな作品だ。

幽霊映画ではあるもののホラーではなくSF風味な仕上がりになっている今作だがもうそれはそれは傑作で思わず泣いてしまった。

 

まず今作の主人公のオッドという青年だが、主人公らしくかなりスペックが高い。

その高スペックとは

優しい

・彼女がいる

・ケンカが強い

・周りの信頼が厚い

・霊が見える

というのが上げられる。かなりのスペックの高さだ。

 

死の匂いを嗅ぎつけて現れるボダッハという悪霊が街に大量に現れたことで街を救うため霊が見えちゃう系男子のオッドが謎を解き明かしていくというのが今作の内容だ。

 

霊の悩みをだいたい拳で片づける暴力オッドは警察のウィレム・デフォーと彼女の協力を得て謎を次々と解決していく。

少しサスペンスな部分もあるが話がつっかえる事無くスムーズに進み、展開されていくので見てて飽きない。霊自身も特に怖がらせることはなく、むしろ自分の千切れた腕を持ってそれで手を振ってくるなどの幽霊ジョークでふざけてくる。(何それめちゃ面白い)

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因みに今作で登場する警察役のウィレム・デフォー、その悪魔的な顔面でいろいろな悪役を見せてきた彼だが今作では終始めちゃくちゃいい人。後々裏切って敵側に付くのかなと思っていたら最後までめちゃくちゃいい人。

 

そしてオッドの彼女もめちゃくちゃいい人。こんな良い女一生現れないであろうと思うほどめちゃくちゃいい人。しかし、彼女のオッドへの想いやイチャイチャぶりなど全ての描写が最初は「おいおい」と思うが、映画を観終わった後は胸にぐさぐさ刺さる。

 

サスペンス、恋愛、ドラマ全てが完璧と言っていいほどの今作。決して変身もしなければ必殺技も出すわけではないが、この映画で描かれているものはオッドという確かなヒーローだった。そう、普段着のまま本能のまま困難に立ち向かっていくヒーローだ。

 

そういった部分でも十分楽しめ、ボダッハという悪霊のCGも全然安っぽくなくどのキャラもいい味を出している。そして何よりこの映画の一撃はラストで号泣待ったなしに泣かされることだ。

最近で似たような映画といえば「アメイジングスパイダーマン」だ。あれも死ぬほど泣かされたし胸にぐさぐさ刺さる傑作。見よう。

話が逸れたがアメスパ2に似たようなことが彼にも起こる。しかしそれは普通に起きる悲劇で号泣するのではなく彼独自が持つ特異によっての演出で思いっきり泣かされる。実際に私も泣いた。死ぬほど泣いた。ウィレム・デフォーの優しさに泣いた。

 

スムーズに進む話に展開から霊を通して解かれていく謎。霊のお悩みならば銃さえ構えるオッドの姿に思わず惚れる。

 

という事で『オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主』。あまり文句のつけどころがない傑作。食べて祈って恋をしてに更に泣くが加わったヒーローアクションなので是非一度手に取ってみてはいかがだろうか?あ、この作品TSUTAYAだけしかレンタルをしてないらしい。それでも見る価値はある。恋愛って良いですねっ!!!

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お化け屋敷巡り疑似体験が出来る『The Houses October Built』

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監督
ボビー・ロウ

脚本
ボビー・ロウ

出演者
ブランディ・シェーファー

ボビー・ロウ

ダン・マーケット

イアン・ロバーツ

ジム・タヴァレ

 

あらすじ

ハロウィンの時期に5人の若者たちは身震いするような体験を求めてアンダーグラウンドなお化け屋敷を探して車を走らせ、様々なお化け屋敷を体験するが...。

 

 

感想

お化け屋敷というのは日常にはない恐怖をノンフィクションで体験する娯楽アトラクションだ。

私自身お化け屋敷というのはあまり得意としないが、今作の映画ではお化け屋敷を徘徊する疑似体験が嫌というほど出来る。

それを聞いただけでこの映画を観たくはならないだろうか?しかも今作は全編POVで撮影されているため一人称視点でお化け屋敷を巡る体験が出来るのだ。実際見てみると最高で超楽しかったというのがこの映画を観た個人的な感想だ。

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しかも巡るお化け屋敷は一つではないというのが今作の魅力である。

様々な土地の凝ったお化け屋敷をこれでもかというほど疑似体験が出来るのだ。

そして、お化け屋敷を巡るクルーたちは最も身震いするお化け屋敷を探していろんなところに旅をしているので登場するお化け屋敷はどれもまあまあ怖い。

 

 

ここまで聞いてるとただのお化け屋敷を巡るクルーたちのビデオ動画ではないだろうか?という疑問も出てくると思うが、しっかりとホラー映画として恐怖な見所もきちんとある。

 

お化け屋敷を巡っていくクルーたちに徐々に徐々に迫りくる不気味な何か。それはお化け屋敷の出し物としての一部分なのか、はたまた全く関係のないただただクルーたちを恐怖に陥れるサイコ的な何かなのかがクルーたちの背後に忍び寄る。

 

オバQを不気味に擬人化させたような見た目の少女仮面をかぶった筋肉粒々な男などがクルーたちがお化け屋敷を巡る中で現れ、苦しめる。

 

それは徐々に近づいて、いずれ巡ってきたどのお化け屋敷よりも最も恐怖な体験をする。

中身としては幽霊的なホラーではなく、サイコチックなホラーでいろんなお化け屋敷を巡る楽しさの中にもしっかりとホラーを抑えてあるのは好感が持てる。

正直言うとこの映画、恐怖度はそこまで無い。しかしそんなこと天空の彼方に消えて木っ端微塵にビッグバンとなるほど楽しめる。そこが今作の最大の魅力である。

世界の見たこと無いお化け屋敷を見れる経験はそうそう無い。が、そんな経験をこの一本で楽しめるのは貴重である。しかもいろんなお化け屋敷を。

 

 

 

ということで『The Houses October Built』、全くというほど怖くはないがそれも許せる一本。国内には来ていないので海外アマゾンなどで注文して一度見てみてはいかがだろうか。俺はお化け屋敷苦手だけどな!!

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エイリアンを生身のシラットでボコる『Beyond Skyline』

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監督
リアム・オドネル

脚本
リアム・オドネル

出演者
フランク・グリロ

ボヤナ・ノヴァコヴィッチ

イコ・ウワイス

カラン・マルヴェイ

バレンタイン・パエン

ベティー・ガブリエル

ケビン・オドネル

 

あらすじ

あの傑作侵略映画『スカイライン-征服-』の続編!!

 

 

感想

スカイライン』といえば傑作の侵略映画である。

前作では「俺の戦いはこれからだぜ!」というラストを迎え、思わず「最高...!」となってしまった大好きな映画である。

今作もはっきり言って非常に面白くかなりのありがとうございます案件に仕上がっている。それはつまりどういう事かと言うと最高である。

 

 

前作では無かったものを全力で叩き込んでおり、そうだよ!それが見たかったんだよ!!な見せ場が次々と矢継ぎ早に目に飛び込んでくる。それはつまりどういう事かと言うと最高である。

 

エイリアン出産や巨大エイリアン、さらにはエイリアン格闘まで拝める素晴らしい出来なのである。それはつまりどういう事かと言うと最高である。

 

 

今作の見どころはなんといってもエイリアン格闘。キャストに『ザ・レイド』でおなじみのイコ・ウワイスとヤヤン・ルヒアンが迎えていることにより、なんとも恐ろしいザ・レイド』並みのシラットでエイリアンをボコボコに潰していくのだ。血が出れば殺せると分かった瞬間もうナイフで見せる芸術的ボコりぶり。流石だ。

 

そもそも生身の身体でエイリアンをボコボコにする映像なんて今まであっただろうか?いや、そうそう見たことがない。しかし、この『Beyond Skyline』ではもうボコボコ。シラット格闘術を身につけておけばエイリアンを倒せることが分かった。そして地球人全員がイコ・ウワイスかヤヤン・ルヒアンであればエイリアンに勝てそうな気がする。

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そんなあまり見たこと事のないエイリアン格闘だけでも十分楽しめるが、まだ最高要素のほんの一部分に過ぎない。

省いてしまったが、エイリアン格闘の前にもエイリアンの母船を観光できるエイリアン母船観光なんていうのもある。巨大エイリアンが置いてあったり、エイリアンはどうやって出来ているのかというエイリアン制作現場だったり、そこで行われるエイリアン出産だったりと舐め回すようにエイリアン母船を堪能でき、兎に角休む暇がないくらい楽しさの特盛パフェ状態なのだ

 

最高な要素はまだある。巨大なエイリアン同士がガチバトルする怪獣映画張りの映像まであるサービス付き。拳と拳がぶつかり合う度に地響きが起こる迫力満点な怪獣バトルである。

もうここまで娯楽を全振りしたような光景を一本の映画だけで楽しめるのはかなり貴重で素晴らしいし、こんなに楽しんじゃっていいんですか!と思わず感謝感激雨あられだ。

 

 

ということで『Beyond Skyline』、あまりにも素晴らしい出来。ひとつ言うと前作とはエイリアンのデザインが変わったりなど変更点はあるものの、そんなもの全然許してしまう。終始興奮しぱなっしで超楽しめる。

2018年始まったばかりですが、もう今年の年間ベストには入るしこんな映画この先滅多に出てこないであろう。それはつまりどういう事かと言うと最高である!

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悪夢の世界で奇想天外な異世界ジャパリパーク生活『モンキーボーン』

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監督
ヘンリー・セリック

製作
マイケル・バーナサン 、 マーク・ラドクリフ
脚本
サム・ハム  

キャスト
ブレンダン・フレイザー 
ウーピー・ゴールドバーグ 
ブリジット・フォンダ

 

あらすじ

売れっ子アニメーター、ステュの最新作”モンキーボーン”の完成披露パーティが盛大に開催された。しかし実のところ、当の本人は華やかな世界にも新キャラクターを描くのにもうんざりしていた。ステュは恋人のジュリーとパーティを抜け出すが、途中で自動車事故に遭い昏睡状態になってしまった。目覚めると、そこには歌い踊る”生身”のモンキーボーンが!人間の悪夢で成り立った暗黒のファンタジー・ワールドに迷い込んでしまったのだった...!!(dvdパッケージ裏より参照)

 

感想

ブレンダン・フレイザーといえば『ハムナプトラ』や『センター・オブ・ジ・アース』など冒険しようぜ!なハリウッド俳優ですが、今作のブレンダン・フレイザー「交通事故に遭い昏睡状態にってしまって異世界に飛ばされちまった!俺はこれからどうなっちまうんだ~!!」という異世界ラノベみたいな生活を送ることになる。

 

兎に角今作の見どころはブレンダン・フレイザーが昔から見てきた悪夢が集合した異世界にいる様々なモンスターである。どこを見渡しても変わった異世界住人たちが生活する一度観たら脳裏に焼き付くような光景である。

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今作は異世界住人たちが魅せる悪夢的世界により脳にガツンと来る見るマリファナみたいな映画に仕上がっている。というのは、なんとも言葉では言い表せないようなとにかく悪夢のようなシーンが次々と出てくるからだ。

 

人面蜘蛛や死神、溶けていくブレンダン・フレイザーなどとことん頭がクラクラするような戦慄なビジュアルが次々と目に飛び込んでくるというのが今作の見どころだ。

 

悪夢を通じて描くめちゃくちゃ笑えるコメディと思えば、もはや不気味とも言えるホラーに片足突っ込んでいるような仕上がりになっている。

しかし、映画自体は全く悪いわけではなく、むしろ次々と畳み掛ける悪夢的映像を楽しめ、その中に甘酸っぱい恋をエッセンスとして取り入れている傑作と言える。

 

 

 

異世界の住民たちの造形も一体一体かなり作りこまれていて、住民たちが独特の個性の色を放つ異世界ジャパリパークが見事に完成されていてかなり好感が持てて気概を感じられた。そう、ここに住む住民たちは異世界のフレンズなのだ。

そういった点もこの映画の素晴らしい一部分なので、見る機会があればそういったところも注目して見てもらいたいし、どんな異世界住民がいるのだろうかと画面の中を探るのも楽しいかもしれない。

 

 

そして漫画家のブレンダン・フレイザーが描いた今作のタイトルにもなったメインキャラクターであり悪者のモンキーボーンがなかなか強烈なキャラをしている。行動や口調がに癖があり視聴者を見事なまでにイライラさせる。

 

クライマックスで見せるモンキーボーンが現実世界に行き、昏睡状態にあるブレンダン・フレイザーの体を乗っ取り好き放題し、それにブチ切れた異世界ブレンダン・フレイザーはなんとか現実世界に戻るが戻った体は手術中の死体。その体でどうにかモンキーボーン止めるどったんばったん大騒ぎは正直爆笑した。

 

そういうしっかり笑える所も抑えてあるので必見である。

 

 

ということで『モンキーボーン』、一度見れば脳裏に焼き付くかなりシャブ的効果がある映画だが異世界と現実を交差する目で楽しむような隠れた傑作なので一度目を通してみてはいかがだろうか。そしてあなたも異世界に迷い込んでみよう。

まあ俺はこの映画を観た夜は悪夢を見たぜ!

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娘を殺されたジャッキーが虚無の表情でブチ切れる『The Foreigner』

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監督
マーティン・キャンベル
製作
ジャッキー・チェン
ウェイン・マーク・ゴッドフリー
アーサー・サルキシアン
スコット・ランプキン

キャスト
ジャッキー・チェン
ピアース・ブロスナン

 

あらすじ

テロの爆発に巻き込まれて娘を亡くしてしまった元特殊部隊のジャッキー・チェンが虚無の表情でブチ切れてピアース・ブロスナンに復讐を誓う!!

 

感想

ジャッキー・チェンといえば今や誰もが知っている名アクション俳優。私も『酔拳』でアクション映画にハマったきっかけでもある人物である。

彼自身一度『ライジング・ドラゴン』という作品でアクションを引退すると宣言していたが何故か今も凄いアクションで人々を驚かしている。(それ自体は超良いこと)

 

彼の映画の特徴はいくら歳をとっても老いを感じさせず笑えてエンタメ精神を忘れず凄いアクションを繰り広げるといったアクション映画がほとんどだが今作の『The Foreigner』という映画は笑い一切無しのシリアスに話が展開していく。

テロで愛する娘を亡くし、中華飯店を営むジャッキー・チェンが今まで類を見ないほどブチ切れるのだ。

 

敵に回したのがジャッキー・チェンという時点でテロ組織の負けは決まったようなものだが時すでに遅しでジャッキーのハイパーウルトラ復讐劇が幕を開ける。

 

兎に角今作のジャッキーは一切笑わず、悲しみと怒りが滲み出た虚無の表情で特殊部隊で培った知識とスキルを駆使しテロ組織の一員を一人また一人と殺していく。

それがあまりに怖く、あまりに胸にグッと来る。

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常にこのような表情で組織の建物に潜入しトイレにお手製の強力爆弾を仕掛けたり、森では殺人トラップを仕掛けたり業者を装いお手製のどうなってんだマシンガンで敵を死滅させたりと復讐に燃えたジャッキーはどこまでもどこまでもテロ組織を作って殺そうの勢いで追い詰めていくのだ。しかも一人で。

 

 

もうこうなってしまったジャッキーは誰も止めることができず、大人数のテロ軍団を送り込んでもことごとく殺し、ことごとくボコボコにする。それが怒りと悲しみで顔に力が入らなくなった今作のジャッキー・チェンなのだ。

 

 

体は傷だらけ、しかしまだ死ぬわけにはいかない。そういう精神で挑んでいく今作のジャッキーにやはりいろいろ胸に来るものがあり、笑わず虚無の表情で敵を殺すいつもとは違う変化球ジャッキーが見れるというのが個人的には非常に面白く、今作の見どころだったと思う。

 

アクションもしっかり健在で、ジャッキー特有のそこにある物を使って戦うアクションが今作では森やアパートの一室などで披露される。例えば森ではそこらへんに生えている木の枝を武器にしたりアパートの一室ではそこらへんにある照明器具や布を使い敵を倒す。本当にこの人のアクションは歳をとらない。

これからも出来る限り面白アクション道を貫いてほしい。

 

更に敵を殺すだけでなく、精神的にも追い詰め、社会から抹殺するというのも今作のジャッキーの恐ろしさの一つでもある。

肉体的にも殺し、社会的にも殺す。復讐を決めたらとことんやり抜く虚無ジャッキーに思わず感服する。

 

 

忘れていたが今作でテロの幹部を務めるピアース・ブロスナンも中々の悪役ぶりだ。

ザ・悪役といったわけではなく、何事も冷静に考え行動する出来る悪役タイプだ。

ジャッキーのお手製爆弾が爆発した際、近場にいた女を守る姿のピアース・ブロスナンにはちょっと惚れる。

 

 

という事で『The Foreigner』、いつもとは違う虚無の表情を見せるジャッキーにひたすら楽しませられるかなり面白い作品に仕上がっていると思う。そして笑わないジャッキー・チェンは更に強く、更に恐ろしくなる。

日本での公開はまだ決まってないが是非とも公開してほしい。

こういうジャッキー・チェンも全然アリだと思うの!!

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↑ 

ちなみにこれがジャッキーお手製のどうなってんだマシンガン。

胸像や絵画が鬼面の表情を浮かべるPOVホラー『The Entity 』

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監督

Eduardo Schuldt

制作

Writers: Eduardo Schuldt 

Sandro Ventura  

キャスト

 Rodrigo Falla 

Daniella Mendoza

Carlos Casella

Mario Gaviria 

Analú Polanco

 

あらすじ

学生のグループは、胸像や絵画が眠る墓地のある一室に隠された古いフィルムに導かれ、墓地でカメラを回すが恐ろしい存在が彼らを襲う...。

 

 

感想

本作の感想の前に「POV」とは何か軽く説明しておこう。

「POV」とは「Point of View Shot」の略で、カメラの視線や主人公目線でリアル感を出すいわゆる一人称視点で楽しむ映画の一つの技法である。

 

本作はその「POV」を使ったペルー産のホラーである。

 

今まで『地下に潜む怪人』や『グレイヴ・エンカウンターズ』や『パラノーマルアクティビティ』、『テイキング・オブ・デボラローガン』など数々のPOVホラーが出てきたがこちらの『The Entity 』も中々力の入った作品だ。

 

いつも通りホラーで生贄に相応しいような若者たちが霊的な何かに襲われるというのが今作のざっくりした内容だがそこまで聞くといつも通りのホラーと何ら変わらない。

今作の特徴は何と墓地に置いてある胸像や絵画などが鬼面の表情を浮かべて若者たちを恐怖に陥れるというサービス付きだ。ね?ちょっと面白そうでしょ?

 

 

実際ちょっと楽しかったというのが個人的な感想である。

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更にはペルーの墓地をカメラに余すことなく舐め回すように映すので少し肝試ししている感覚に陥る。そういったところも楽しめるのがPOVのいいところでもある。

 

勿論、胸像や絵画が鬼面の表情を浮かべるだけでは終わらず若者たちは霊に死ぬほどズタズタのボコボコにされる。(実際に死ぬ)

たちまち取り憑かれては絶叫し発狂しそして死ぬ。となりでは胸像がやばい顔してるし隣ではキリストの絵画が血の涙を流していて何処に逃げても「無理」ってなってしまう状況思わず同乗してしまう。

 

個人的には若者たちがひたすら酷い目に合うホラーは嫌いではない。『The Entity 』はそういう映画。

 

 

という事で『The Entity 』、恐怖度的にはそこまで高くないが終始不穏な雰囲気をカメラから逃さず中々楽しめるPOVホラーに仕上がってるのではないだろうか。

見るには海外から取り寄せるしか方法はないがその価値は.....まあ分からんがもし興味を持った方は是非。楽かったよ!うん!!

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