胸像や絵画が鬼面の表情を浮かべるPOVホラー『The Entity 』
監督
Eduardo Schuldt
制作
Writers: Eduardo Schuldt
Sandro Ventura
キャスト
Rodrigo Falla
Daniella Mendoza
Carlos Casella
Mario Gaviria
Analú Polanco
あらすじ
学生のグループは、胸像や絵画が眠る墓地のある一室に隠された古いフィルムに導かれ、墓地でカメラを回すが恐ろしい存在が彼らを襲う...。
感想
本作の感想の前に「POV」とは何か軽く説明しておこう。
「POV」とは「Point of View Shot」の略で、カメラの視線や主人公目線でリアル感を出すいわゆる一人称視点で楽しむ映画の一つの技法である。
本作はその「POV」を使ったペルー産のホラーである。
今まで『地下に潜む怪人』や『グレイヴ・エンカウンターズ』や『パラノーマルアクティビティ』、『テイキング・オブ・デボラローガン』など数々のPOVホラーが出てきたがこちらの『The Entity 』も中々力の入った作品だ。
いつも通りホラーで生贄に相応しいような若者たちが霊的な何かに襲われるというのが今作のざっくりした内容だがそこまで聞くといつも通りのホラーと何ら変わらない。
今作の特徴は何と墓地に置いてある胸像や絵画などが鬼面の表情を浮かべて若者たちを恐怖に陥れるというサービス付きだ。ね?ちょっと面白そうでしょ?
実際ちょっと楽しかったというのが個人的な感想である。
更にはペルーの墓地をカメラに余すことなく舐め回すように映すので少し肝試ししている感覚に陥る。そういったところも楽しめるのがPOVのいいところでもある。
勿論、胸像や絵画が鬼面の表情を浮かべるだけでは終わらず若者たちは霊に死ぬほどズタズタのボコボコにされる。(実際に死ぬ)
たちまち取り憑かれては絶叫し発狂しそして死ぬ。となりでは胸像がやばい顔してるし隣ではキリストの絵画が血の涙を流していて何処に逃げても「無理」ってなってしまう状況思わず同乗してしまう。
個人的には若者たちがひたすら酷い目に合うホラーは嫌いではない。『The Entity 』はそういう映画。
という事で『The Entity 』、恐怖度的にはそこまで高くないが終始不穏な雰囲気をカメラから逃さず中々楽しめるPOVホラーに仕上がってるのではないだろうか。
見るには海外から取り寄せるしか方法はないがその価値は.....まあ分からんがもし興味を持った方は是非。楽かったよ!うん!!
狂った社員同士の殺し合い『Z Inc. ゼット・インク(MAYHEM)』
監督
ジョー・リンチ
製作
メルダッド・エリー
ローレンス・マティス
マット・スミス
ショーン・ソーレンセン
キャスト
スティーブン・ユァン
サマラ・ウィービング
キャロライン・チケジー
ダラス・ロバーツ
マーク・フロスト
あらすじ
人間のストレスホルモンの濃度を上げて理性と感情のバランスを狂わせるウィルスに感染した社員が隔離されたオフィスビルで本能むき出しで欲望のまま行動し、社員同士の欲のぶつかり合いが始まる。完全封鎖された社内は凶暴化した感染者で溢れかえり、感染したデレクは解雇への不満を爆発させて最上階の社長室を目指す。
感想
主演は大ヒットテレビシリーズ「ウォーキング・デッド」のスティーブン・ユァン。そのスティーブン・ユァンと共に自分を解雇へと導いた社長室を目指すのはサマラ・ウィービング。彼女の最近の出演作品ではNETFLIXのオリジナル映画『ザ・ベビーシッター』もかなり面白かったのでこの場を借りてお勧めしておこう。
さて、話は戻り社員同士の殺し合い映画では『サラリーマン・バトルロワイアル』という映画が最近出てきましたが、あちらの作品も中々にパワー溢れる作品でかなりの死体がオフィスに転がる地獄絵図を見せつけられる。今回紹介する『Z Inc. ゼット・インク』もオフィスロワイアルな内容だが、こちらでは"ストレスホルモンの濃度を上げて理性と感情のバランスを狂わせるウィルスに感染した社員たち"なので全編異常なまでのテンションで事が進む。日頃の欲を全て開放するので乱交あり、殺し合いありの狂いに狂ってなんぼな地獄のような絵ずらがオフィスで繰り広げられる。
そして今作の主人公、スティーブン・ユァンもかなりの狂いっぷりを見せてくれる。喉ちんこが飛び出すくらいに叫び殴って蹴ってたまに殺す、そういったかなりのハイテンションといったところもあって個人的には観ていてすっきりした。まあ社長から理不尽なクビを言いつけられたので鬱憤が溜まりに溜まっているのは間違いないだろう。
なのでウィルスに感染した狂人モードと化したスティーブン・ユァンは真っ先に社長室を目指す。そしてその社長室に行くためには7階の鍵を持ったクソ上司や社長室の鍵を持ったクソ女上司を倒さなければならないというゲーム方式で社長室を目指すのも少し楽しい。
同様に感染し狂ったサマラ・ウィービングも中々の狂いっぷり。会うなりいきなり殴りかかってくる。しかし、そういった女性をパートナーにするのは何とも心強いし今作で改めて思ったのは強くて返り血を浴びる女性は美しさが増すという事だ。
ということで『Z Inc. ゼット・インク』、オフィスが血みどろ大乱交パーティーになるテンションアッパー系なバイオレンス映画に仕上がっているので機会があれば是非。そして狂え!